團十郎さんと宮舘涼太さんが実盛物語『SANEMORI』で共演されるということで話題になっていますね。
絶対見にいく!という人やファンの人のためにざっくりと『SANEMORI』のあらすじをわかりやすく解説します。
見にいく前に予習しておくと歌舞伎の楽しさ倍増ですよ。
実盛物語『SANEMORI』のあらすじは?
実盛物語『SANEMORI』のあらすじをわかりやすく解説します。
- えらい人が戦で亡くなります。
奥さんは危機一髪で脱出し関係者のおじいさんの家に隠れます。 - 奥さんは妊娠していて家は琵琶湖のそばにあります。
- おじいさんの孫が浜辺で人間の腕を拾いました。
白い棒みたいなモノで巻いた旗でした。 - 旗は偉い人が亡くなった大事な持ち物。
- 奥さんがここに隠れてるのがバレて生まれた子供が男だったら殺すと言って敵方の使者1と2が来ます。
- 使者1(カッコイイ)が主人公。
- 「子供が生まれたー」と言っておじいさんが先程の腕を持ってきます。
- 使者2が「ふざけるな」と怒り、主人公が適当に言って言いくるめ、使者2が帰ります。
- 腕は昨日、主人公が切り落としたもの。
おじいさんの娘だよねと言って旗を持って逃げていく。 - 主人公がそのときの様子をかっこよく語る。
- 死体が発見される。切られた腕にさっきの腕をつなぐと、女が生き返る。
娘が少し話すとまたすぐに死んでしまう。 - この人はじいさんの実の娘じゃなくて捨て子。
ほんとはどこかのお侍の子供らしい。 - 奥さんが今度は本当に産気付き子供が生まれます。
生まれたのは男の子。
「やったー」と喜び将来は死んだ父親のあとを継がせよう。 - おじいさんが、死んだ娘の子供を将来家来にしてくれと言うけど奥さんは断ります。
娘の本当の親が夫の敵かもしれないから、うかつに家来にはできないと言う。 - と話をしていると先ほどの使者2が戻って来て死んだ娘を蹴り飛ばします。
- 子供が怒って持っていた刀で使者2を刺す。
- なんとこの人が死んだ娘の本当の父親だった。
- 自分は奥さんにとっては敵だから、自分を殺せば手柄になるから家来にしてもらえるだろう、と言って死んだのでした。
- 主人公も、いい人だけど立場上は敵。
- 今はムリだけど、子供が大きくなったら戦場で再開して、殺されてあげようと約束。
- 主人公、馬に乗ってかっこよく去っていく。
というお話です。
実盛物語『SANEMORI』の見どころは?
能「実盛」は、「朝長」「頼政」とともに“三修羅”、「盛久」「通盛」とともに“三盛”と呼ばれており、修羅物のなかでは演じにくい難曲とされて、未熟の能役者は勤めることができないといわれています。
古くは「篠原」または「篠原実盛」とも呼ばれていました。
『平家物語』をもとに世阿弥が作ったとされますが、「実盛」創作の動機は、実際の出来事がもとになっています。実盛が討死してから約230年後の1414(応永21)年、加賀国篠原に実盛の幽霊が現われ、遊行上人から十念を授かるという不思議な出来事が都中で噂となります。これをもとに、「実盛」が創作されました。
一般的な修羅物が、はじめは人間であるかのように登場した前シテが、次第に幽霊であることが明かされるのに対して、「実盛」は、上人しか実盛を見聞きすることができない設定で、初めから観客に幽霊であるとわかるようになっています。こうした構造の「実盛」は、狂言口開で始まる点とともに、修羅物としては異例の作品となっています。
鬢髭を墨で黒く染めてまで戦場に斬り込んでいく、豪気な老武者実盛の意気とは対照的に、枯木のように力尽きていく実盛の最期は、悲哀の念を込めて描かれています。
後場ではシテの仕方を交えた長い戦語りもあり、老体の曲のわりには動きが多い能となっています。特に首を洗う型や、手塚太郎光盛との格闘の場面は難しいとされています。また、シテは、敵の手塚、木曽義仲、首を実盛と確認する樋口次郎の役を語りの中で演じ分け、こうしたシテの所作もみどころの一つとなっています。
まとめ
実盛物語『SANEMORI』のあらすじをわかりやすく解説しました。
團十郎さんと宮舘涼太さんが共演する歌舞伎、とても楽しみですね。
公演を見に行く前におさらいをしていくと歌舞伎をより楽しむことができますよ。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
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